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10年以上前に南フランスへ旅したとき、ワインのためのぶどうを収穫させてもらう機会がありました。
たまたま通りかかった見ず知らずの日本人であるわたしに、農家の人はフレンドリー。
そんなこともきっかけの一つになり、わたしのfood voyageはスタートしたのです。
フランスのさまざまな地方を旅して宿のマダムと一緒に料理をしたり、
キッチン付きのアパートに滞在して、土地の食材を現地の道具で料理してみました。
ある時はムッシュの畑のぶどうを出荷する際に同行したり、山でハーブ摘み。
「暮らすような旅」を続け、食材からキッチン、テーブルまでの暮らしを見つめ、
体験してきたのです。その一部をまとめた著書が、2008年夏に刊行した
「おうちでつくる南フランスの野菜たっぷり料理」です。
カーブで地ワインを試飲して購入し、マルシェで野菜やオリーブを買い、
かごに詰め込みキッチンへ戻る。シンプルな道具で楽しく料理をし、器に盛りつけ、
テーブルをしつらえる。アペリティフを味わい、日が暮れるとキャンドルを灯してのんびりと
食卓を囲む。そんなふうに現地のテーブルライフを体験し、食のある時間を心地よく過ごすための
エッセンスがちょっぴりわたしに染みこみました。
■food & 風土
食の周辺への好奇心はつきず、フランス以外にも興味は広がり、見て歩いています。もちろん、日本も。
食の背景を知るのはとても興味深いこと。どうやってつくるんだろう?どんなふうになっているんだろう?
何しろ体験しないと気がすまないわたしです。
異なる食環境に身をおくことにより、つくづく食は地理・気候・風土・慣習があって発展した文化であり、
民族が脈々と続けてきものなのだと知らされます。食べものはその土地で食べるのがおいしいと実感しました。
何が「おいしいさ」をつくるのか?豊かな食とは何なのか?心地いい食環境とは?ますます考えるようになりました。
実はここまでのプロローグを書いたのは、2008年頃。food voyageサイト自体は、2005年頃、
「フードで旅をする、旅で食文化を知る、日々の暮らしは食をめぐる旅」の発信としてつくったものです。
■食べることを大切にしたい、食のある時間を気持ちよく過ごしたい
その頃、こう書き表したことを現在も変わらず思っており、快適なフード〜キッチン〜テーブルを模索する日々は
続いています。
今回のfood voyageリニューアルでは、「le petit livre de web」というサブタイトルをつけました。
「小さなウェブの本」です。
これまでとこれからの小さな発見、旅の記憶をさらりとめくれるように、ページを編んでいきたいと思っています。
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